博士と職種 研究職だけが進むべき道か?

博士過程の学生が希望する就職先(職種)はダントツで研究職です。

まぁ、当然だと思います。

そもそも博士過程とは、研究者を育てる機関とも言えるわけです。

野球のリトルリーグで頑張る小学生や甲子園で活躍する球児に、将来の夢を聞けばプロ野球選手と答える人たちが多いのと同じです。

サッカー選手と答える子供は少数ですし、野球の審判員、スポーツトレーナー、スポーツトレーナー、スカウト、理学療法士、スポーツドクターなどなどと答える子供はほとんどいないと思います。

ですが、その職業はいずれも野球の経験が活かせるものです。

博士過程の学生もいろいろな場所で活躍が期待されており、経験が活かせることに気がついていないことも多いかもしれません。

少ない社会人経験ですが、博士の知識や経験を活かせる職種をいくつか紹介したいと思います。

広告

 

基礎研究職(研究職)

言わずもがな、博士が活躍できる場所です。世界に目を向ければ博士号所持が最低要件の職種です。

企業の中で基礎研究は、開発職と区別した場合、0を1にするようなフェーズが手前の段階を担う職種だと考えます。

しかしながら近年は、産学連携やM&Aがメジャーになってきており、本当の基礎研究を企業で実施するケースが減ってきています。

アカデミックやベンチャー企業の成果(シーズ)をいち早く発見し、共同研究等により自社の研究開発へ結びつける力が求められると思います。

 

開発職

R&DのDeveropmentに該当しますので、広義の研究職(研究開発職)です。

製薬企業では、臨床開発職のことを開発職ということが多いので、この場合はまたニュアンスが異なります。

開発職は、1を9にするような仕事で基礎研究の成果を商品化することを担います。

研究職と重なる部分も多いです。

私自身もこの部署に該当しますが、論文を書くような仕事をする人もあれば、申請書を書く人もいるし、設計もいます。また時期やフェーズによって仕事も変わります。

 

企画職

企画職といっても曖昧なもので、きちんとした定義があるわけではありません。

広義の企画職としては、リサーチやマーケティング、広報なども含まれます。

理系企業の中では、研究企画や企画開発などの部署があります。

新入社員で採用されることは少ないかもしれません。

理系の企業では事業戦略の一部を担うことも多いです。

例えば、M&Aを試みる場合、対象となる企業の技術力や商品の競争力を把握する必要があります。加えて自社技術の強みとのシナジーやリスク分析なども実施します。

海外企業のケースも多いため英語力が必要ですし、何より専門性が必要となってきます。

 

学術職

製薬や臨床検査メーカー、バイオ系企業に多くある職種です。

営業のサポート、技術営業の特化職のような部署になります。

論文調査により、自社だけでなく他社や国内外の様々な情報収集や情報提供などを実施します。

わかりやすい資料の作成や学会でのコーディネートなども行うこともあります。

高いリサーチ能力と専門性が活かされます。

特許・知財

企業の研究者は特許の明細書を書く(本人が書く場合と特許関係の専門家が書く場合も)ことも多くなります。

知財部門は、その企業の特許出願を管理する部門です。

自社の技術を特許にするだけでなく、他社の特許を回避したり無効化するための業務も担います。

その場合には、国内の特許だけでなく海外の特許や論文などの文献調査もする必要があり、英語力や技術論文の読解力が求められます。

最近では、博士卒で特許事務所に就職する方々もいるようです。

この分野を専門とする場合は、特許事務所でも企業でも弁理士を目標にする方が多いです。

 

広告

 

品質管理・品質保証職

基礎研究が0を1にする仕事なら、品質管理は9を10にするような仕事です。

ニュースで検査データ改ざんや未検査の問題が取り上げられることも多いですが、品質は企業の製品にとって最後の砦です。

品質保証部門のサインは、企業を代表するお墨付きともなります。

その署名一つにしても、Ph.D.の肩書きは海外とのやりとりにおいて重要となることもあります。

また、海外でトラブルがあれば自ら対応し、開発や製造の知識も求められます。

 

営業職

博士取得者にとって遠い職に見えるかもしれませんが、そんなこともありません。

営業だから接待やお酒で商談なんて時代でもありません。(そういう企業もあるのかもしれませんが)

営業はユーザーに一番近い職種であり、商品を売るだけでなく、ニーズを聴き込むマーケティング力も必要です。何より相手の疑問や課題を瞬時に理解し、説明する専門性が何より重要です。

毎回、「技術の人間に聞いてからお答えします」ではせっかくの商機も逃してしまいます。

さらに、グローバル化により顧客は日本だけでなく世界となっています。

BtoBの商売では、ユーザーがPh.D.であることも珍しくありません。

 

というように、博士で培った経験を活かせる場は無数にあります。というより活かせない職場なんてないのかもしれません。

博士過程では、

情報収集能力(リサーチ力)

原理原則の理解

論文執筆力・論文読解力(英語力)

プレゼン力(ディフェンス力)

忍耐力!

など様々なことを学んできています。

博士号を取得したってだけでも可能性のある人材としてみなされます。企業に就職する際は、少し広い視野を持って見てください。

 

広告


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です