博士号取得のための審査過程

博士を取得するためには、もちろん厳しい審査があります。

どのような審査を経て、博士号が得られるのでしょうか?

 

前提

大学として、博士号を与えて良いか審査する場を一般的に審査会と言います。

博士号は研究室のボス(指導教員)によって与えられるイメージがあるかもしれませんが、正式には研究科の先生だったり、研究科の垣根を超えて選ばれる先生の審査を経て取得できます。

審査には、予備審査、本審査があります。

そして、予備審査を開催するにあたって要件が定められていることが多くあります。

この審査については、課程博士であっても論文博士であっても根本的に同じです。

大学によっては、課程博士の場合は、二年目などに中間審査と呼ばれるものがあり、予備審査開催の要件の中に中間審査を合格していることなどがあります。

この中間審査で、研究室のボス以外の先生に研究内容を発表するわけですが、ボスが指摘しにくいことなど客観的に告げられる可能性もあります。最悪は、「おそらく博士号を取得することは難しいでしょう」と言ったように博士課程からの退学を示唆される場にもされるケースがあるようです。

予備審査に進む前に

予備審査は学位取得月の半年前くらいに開催されます。

課程博士であれば、D3の夏から秋くらいに行われることが多いようです。

予備審査に進む前にすべきこととしては、

・博士号取得条件となる論文(博士論文ではなく投稿する学術論文)がアクセプトされているまたはアクセプトの見込みが立っていること。

博士号取得条件の論文数やインパクトファクターなど満たしておく必要があります。

大学によっては、本審査などまでにアクセプトされていれば良いとされるところもありますが、基本的には予備審査までにアクセプトへ高い見込みがある状況が必要です。

見込みの目安としては、最低でもマイナーリビジョンで簡単な修正を要求されているような状況だと思います。

・博士論文を作成し始める。

予備審査に通過した後、すぐに副査の先生が論文の確認に進められるように博士論文をある程度仕上げておく必要があります。

・就職活動を済ませるor進めておく。

企業への就職の場合は、就職活動を終わらせて内定を得ておく必要があります。

審査に進むと忙しく、就活との両立は困難です。

アカデミックの場合は企業に比べて就活が遅くなるようですが、今までの研究室に残るような状況でない場合は、ポスドクの受け入れ先と話を進めておく方が良いかと思います。

・研究室のボスあるいは指導教官の許可を得る

一部の研究室では、このハードルが一番高かったりします。

論文の数や質が大学の修了基準を満たしていても、主査となる先生が首を縦に振らなければ話が進みません。この段階で、泣く泣く大学や研究室を変えざるおえない方も中にはいるようです。日頃からコミュニケーションを取っておくことが大事です。

 

広告

 

本審査より予備審査の方が厳しい?

ようやく予備審査となるわけですが、本審査より予備審査の方が厳しいことが多いようです。

この場合の厳しいとは、指摘される内容が厳しいのではなく、通過が厳しいということです。

というのも、本審査にまで進んだ状況で審査に落ちると、その同じテーマでは今後博士号を取れなくなる状況があるからです。

なので、本審査で落ちそうな場合は、予備審査で落としましょうということです。

審査料として、お金を入金するのは本審査前ということもあり、予備審査で落ちた場合は、余分な出費も発生しないということもあります。

予備審査は、プレゼンによる発表とディスカッションにより審査されることが多いようです。

予備審査は、研究科の先生方によって実施されることが多いので、専門内容を熟知した先生方とディスカッションをします。それらの先生方は過去に自分と同じ研究室の卒業生の発表やボスの研究内容を理解していることが多いので、いやらしい質問も多くなります。

研究内容以上に博士としての適性を確認される本審査

本審査になると、研究科外の副査の先生が加わって審査されます。

本審査は、一回以上のプレゼンによる発表とディスカッションに加えて、博士論文の完成を目指します。

この博士論文は、提出された後、リポジトリなどにより一般に公開されますし、国会図書館にも保管されます。

専門性も大事ですが、日本語(あるいは英語)としてわかりやすいなど、体裁も重要視されます。

大学としても、いい加減な論文で通過したと判断されてしまっては困るわけです。

学位取得後に修正することは不可能なので、細かい指摘にも応じて丁寧に作るようにしましょう。

本審査には、公聴会と呼ばれる審査も含まれます。

公聴会には、主査や副査の他に誰でも聴講できることになっています。

このブログを読んでいるあなたが、見ず知らずの大学院生の発表を聞くことも可能です。

大学、研究科、研究室のホームページ、大学内の掲示板などで開催日時や内容が公開されます。

もちろん論文博士であっても社会人博士であっても公聴会は存在します。会社の方々や共同研究先の先生、家族なども参加することが可能です。

日本では、公聴会は儀式的なものになっており、あまり重きを置かれないことが多いです。

この段階で、博士号の審査に落ちるということもほとんどないと考えられます。

一方、アメリカでは公聴会は一大イベントなようです。

時間もめちゃめちゃ長く、質問も嵐のように浴びせられ、厳しいコメントも多いようです。

Ph.D.としての船出として承認するための通過儀礼の側面もあるのかもしれません。

 

広告

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です