博士は企業の生産性向上に貢献するか?【働き方改革】

2018年12月29日

博士取得者と生産性についてです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26802640R10C18A2TJM000/
日本経済研究センターがまとめた結果によると博士取得者の生産性が悪いと日本経済新聞から報告されています。

なかなかショッキングな記事ではありますが、実態はどうなのでしょうか?

本調査の問題点の一つとして職種と生産性の関連性と博士卒と職種の関連性が考慮されていません。

例えば、製造や営業は業務活動が直ちに売上や利益に直結します。

高度に自動化されたプラントで化学品を製造した場合、オペレーター一人あたりの生産性は非常に高くなります。

その一方で、研究職の場合、研究成果が実を結ぶまで時間はかかりますし、実を結ばないことも多いです。どうしても利益を指標とした場合は研究職の生産性は小さくなる傾向にあります。

博士卒の多くは研究職に従事しますから、生産性との相関は悪くなりますよね。

生産性との学歴の関連を調査した研究もあります。

RIETI(独立行政法人経済産業研究所)による報告です。

企業内研究者のライフサイクル発明生産性

というテーマです。

https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/12e059.pdf

https://www.rieti.go.jp/jp/publications/rd/080.html

注目すべきは、課程博士と論文博士を別のグループとして検討されていることです。これはとっても貴重な研究です。

この研究では、指標として特許出願と特許の被引用件数を用いています。

企業で研究している場合はアウトプットとして特許の数は重要な成果の一つで、論文より重きが置かれることももちろん多いです。研究だけでなく開発の視点でも最重要です。

特許は出願するだけなら費用は別として、簡単に出せます。また、意味がなく重要でない特許であるほど成立しやすくなります。つまり数だけであれば能力の指標としては充分に機能しない可能性があります。

一方で、被特許件数は簡単には増やせません。特許の被引用というのは、新しく特許を出願する際に新規性を比較するために引用する参考文献です。

論文で言うインパクトファクター(ただし雑誌ではなく論文そのものの引用数)を指標とし多様なものです。

特許における被引用では、自分たちのグループではなくライバル会社など他社の特許を引用することが多くなります。また、他社の特許の無効化などにも用いられます。論文同様にまたはそれ以上に技術力と被引用数は相関すると思われます。

さて、結果を見てみましょう!

学歴別に見た入社後からの特許出願件数の推移

https://www.rieti.go.jp/jp/publications/rd/080.html より引用

さすが、課程博士ですね。

顕著に値が他を上回っています。

この研究では意外にも、修士と学士に大きな差が見られていません。

そして、論文博士ですが、修士よりは上回っているが、課程博士には及ばない結果となっています。

ということで、博士は無駄じゃないって結果になっているんではないでしょうか(笑)

企業の人事部のみなさん、業務の効率化や生産性の向上のために博士の採用を検討してみませんか!?

博士を目指す方のモチベーションになれば幸いです。

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