データ人材育成大学院は社会人学生の増加を後押しする
文部科学省の政策により、ビッグデータやAI、IoTに強い人材を育成するためのデータ関連人材大学院の設置がここにきて急速に進んでいます。関連事業に予算もばんばん付いています。
データ関連人材育成プログラムとは?
本プログラムは、大学、企業等がコンソーシアムを形成し、博士課程学生・博士号取得者等の高度人材に対して、データサイエンス等のスキルを習得させる研修プログラムを開発・実施し、キャリア開発の支援を実施することにより、高度データ関連人材を育成し、社会の多様な場での活躍を促進することを目的としています。
ということで、データサイエンティストの育成に関して国をあげて取り組むためのプロジェクトとなっています。アメリカや中国にデータビジネスの覇権を握らせないためにも急速に力を入れているようです。
5年間で4億円以上の予算がついています。
医科歯科大学、電気通信大学、大阪大学、早稲田大学、北海道大学が中心になって進められるプロジェクトになっています。
滋賀大学では学生の8割が社会人
例えば滋賀大学では、2021年にデータサイエンス研究科を設立する予定でしたが、2年間前倒しして2019年に設立予定となりました。
この研究科は日本ではじめてのデータサイエンスに特化した大学院です。
さらに入学者の内訳も発表されましたがなんと合格者24名中8割が社会人ということです。
東京の大学ではなく、滋賀県ですよ!失礼ですが周辺に大企業がたくさんあるわけではありません。
といことは、国や大学がデータサイエンスに力を入れていることはもちろんですが、企業がやはり人材の育成に熱心ということだと思います。
滋賀大学へ人材を派遣し、教育させるわけです。
数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムとは?
他にも国立大学の取り組みとして、数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムも組織されています。
数理・データサイエンス教育強化を目的として国立大学に設置されたセンターが結集して,各大学内での数理・データサイエンス教育の充実のための取組成果を全国への波及させるための活動を推進し,数理・統計・情報を基盤として未来世界を開拓できる人材の育成を目指します。
北海道大学 数理・データサイエンス教育研究センター
https://www.mdsc.hokudai.ac.jp/
東京大学 数理・情報教育研究センター
滋賀大学 データサイエンス教育研究センター
https://www.ds.shiga-u.ac.jp/dscenter/
京都大学 国際高等教育院附属 データ科学イノベーション教育研究センター
大阪大学 数理・データ科学教育研究センター
http://www-mmds.sigmath.es.osaka-u.ac.jp/
九州大学 数理・データサイエンス教育研究センター
というように各大学で、矢継ぎ早に研究センターが設置されています。
これらのプログラムで開講される授業は社会人でも受講することが可能です。
↓例えば大阪大学です。
http://www-mmds.sigmath.es.osaka-u.ac.jp/structure/applicant/duex.php
滋賀大学の成功をみると、今後各大学でデータサイエンスに特化した大学院研究科の設置が見込まれます。
社会人の大学院進学が推進すると考えられます。
他にもデータサイエンスが学べる大学はいっぱいあります!
筑波大学:イノベーション創出型データサイエンティスト育成教育プログラム
http://www.gssm.otsuka.tsukuba.ac.jp/about/project.html
統計・データマイニング・シミュレーション・プログラミングといったデータ分析面での研究の蓄積に加え、計算機システム・データベース・情報セキュリティ・プログラミング言語・ソフトウェア工学といったビッグデータを支える基幹的情報技術の教員や、マーケティング、金融、会計、経営といった、ビッグデータを扱うビジネスにおける応用領域の優れた教員が在籍しています。
ビジネス科学研究科に属するプログラムとなり、MBA領域の中でデータサイエンスに特化したような内容です。まさに社会人向き!
慶應義塾大学:イノベーティブ・フューチャー・ストラテジスト
https://www.sfc.keio.ac.jp/gsmg/education/pro/innovative_future_strategist.html
データサイエンスの知識や技術を活用し、ストラテジストとしての実践知を兼ね備えた参謀型人材の育成を目指しています。今後の生産性革命や産業革命を実現する鍵として、IoTやデータサイエンス、AI、ロボティクス、ドローン、センシングなど、新しい技術を統合活用し、社会イノベーションを実現できる人材の育成が急務となっています。イノベーティブ・フューチャー・ストラテジストコースでは、フィジカル空間においてサイバー空間の様々な知識や技術を活用し、ストラテジストとして制度設計やビジネスに展開できる参謀型の実務人材を育成します。
慶応SFC大学院の政策・メディア研究科のプログラムで、主専攻とは別に取得できるコースとなります。研究科柄、自治体等の政策やシンクタンクの領域でデータサイエンスを学びたい方には相性が良いかもしれません。
横浜市立大学:データサイエンス学部(大学院は未設立)
https://www.yokohama-cu.ac.jp/academics/ds/index.html
横浜市大は2018年度からデータサイエンス学部を開講しています。
一期生が進学する時期辺りに、ほぼ間違いなく大学院も設立されると思われます。
2020年4月から大学院の設置が検討されています。
https://www.yokohama-cu.ac.jp/ds/
武蔵野大学:データサイエンス学部
https://www.musashino-u.ac.jp/admission/faculty/data_science/
武蔵野大学も2019年度からデータサイエンス学部を開講しています。
武蔵野大学は同じく2019年度に会計大学院も設立しているので、データサイエンス系の大学院も設立される可能性があります。
やはり課題は・・・
日経新聞の記事にあるようにデータサイエンス大学・大学院設立ラッシュの中で、課題は教員不足です。
データサイエンティストが超絶な売り手市場で、各企業は給与も奮発している状況です。
教育というハードルはありますが、ビジネスマンから大学の先生へという選択肢も出てくるかもしれませんね。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません