特許と論文どっちが大事?

研究者にとって、切っても切れない関係の特許と論文について書いていきます。

どちらも新規な発見をした場合に書くものですが、企業研究ではどのように違うのでしょうか?

アカデミックの場合

アカデミック研究の場合は、論文に重きが置かれますよね。科研費などの競争資金の獲得やより良いポストに応募する場合でも、論文の量と質(例えばインパクトファクター)が重視されてきました。今でもこの状況は大きくは変わりません。

その一方で、国立大学の独立行政法人化や蓮舫さんの事業仕分けあたりから減らされ始めた各種補助金の削減により、大学はお金が十分にない状況になってきました。そこで、大学は産学連携により、共同研究などを通して企業からの資金獲得を積極的に進めています。

その中で、特許をはじめとする知的財産は非常に重要です。特許がなければ、企業が模倣して大学には一銭もおりてこなくなってしまします。そこで、アカデミックの場でも研究者に特許の取得(多くの場合は、企業との共同出願)が奨励されています。

業績においても、特許の価値が向上してきているようです。産学連携で企業を呼び込める先生と評価されるようです。

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企業の場合

他方、企業の場合は特許に重きを置きます。極論では、10: 0 で特許です。というのも論文だけではお金に繋がりません。ということで、論文博士を目指す場合においても論文を書けば良いというわけではなく、その前にしっかりと特許を抑える必要があります。

企業の特許戦略は各社様々ですが、特許明細書の作成も会社によってあるいは社内の状況によって対応がまちまちです。実験ノートを書いていればそれを知財の担当者が特許を書く場合もあれば、研究者がほとんどを書く場合もあります。私の場合は、担当した製品が大きな売り上げが出るようなものではないので、自分で書くことが多かったです 😥 

特許の対応をせずに、論文や学会発表を実施した場合、大きな問題となりますので、手順はしっかり踏みましょう。

企業における論文の意味

論文は、外部へアピールするためにあります。実施してきた研究や発明が、学問の探求に多大なインパクトがあり、社会貢献に繋がります!という熱い思いを文章にします。分野が違う人にも知ってもらう(素晴らしさを共有していただく)必要がありますから、文書も丁寧にわかりやすく書く必要があります。企業の場合は、営業の一環で論文が使用されることがあります。また、商品の性能を担保するためにも使われます。その一方で、論文がなくても需要がある状況であれば論文を出す必要がないかもしれません。社内の従業員ではなく、外部の先生やユーザーが執筆することも多いです。このような状況ですので、企業の研究者は論文を書かなくても研究者として成り立つのです。

特許に関しては、競合にのみ理解していただければ良いわけです。なので文書に関しては、わかりやすさよりも、抜け穴がない網羅性などが重要視されます。どこかぎこちなくわかりにくくても、権利が明確であれば問題ありません。相手に素晴らしいと思わせることより、悔しがらせられることが良い特許の文章です。

特許を取ることと論文を書くことどちらが難しい?

私の個人的印象ですが、どちらも難しいです(笑)

特許に関しては、通りやすい分野と通りにくい分野がそもそもあるので、分野によって印象が大きく異なると思います。

特許では新規性が評価されますが、過去の自分たちの研究からも明確な新規性が求められます。論文に比べて、目新しさが必要です。実施できる程度のアイデアが記載されていれば、データの量は問題とされません。

論文は、客観的な検証が重要で、憶測や主観ではなく複数のデータから立証される必要があります。

書く内容はそれぞれ異なることもありますが、企業で研究している状況で特許がだ出せるのであれば、工夫さえすれば論文もかけると私は考えています。

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