オープンアクセスの値段と採択率 〜社会人にもオープンアクセスばかりすすめてくる〜

博士をとった後では初めての論文執筆中です。

博士を取るまでは、必死にドタバタして書いていましたが少し余裕を持って書けています。

 

企業の研究で論文を出す時も当然ですが、エディターからレビュアーにまわされて査読を受けます。

すんなりアクセプトやリビジョンに行けばいいのですが、リジェクト(掲載不許可)も受けます。

そんな時に、オープンアクセスを勧められることが多いです。

企業だとお金持ってると思われるのか、企業なんだからお金払えと思われているのかわかりませんが・・・

とはいえ企業でもそんなに自由に使えるお金は無いのですよ。

 

オープンアクセスとは?

そもそも今までの仕組みは?

昔、論文はもともと論文が掲載された雑誌を売ることでビジネスとして成り立っていました。

買い手は、大学や企業の図書館、病院や研究室などです。

今でも、雑誌を売るビジネスは残っています。

年間契約で何十万とかそういう感じです。

この場合、論文投稿者や執筆者はお金を払わず論文を掲載することができました。

(書籍と異なり、論文を書いてもお金はもらえません)

その後、インターネットの発達により、紙媒体ではなくPDFなどのデジタルデータが主流となります。

こうなると、年間の定期購読の他に、まさにその一つの論文を読むためにお金を払う従量課金制みたいな仕組みが成り立ちます。

一つの論文で数千円から数万円程度でしょうか。

24時間限定で読むなんてのもあります。

こんな感じなので、論文を読むことはお金がかかるもので、誰もが気軽に読めるものではありません。

論文を書くときの参考文献を調べる際に、他者が引用している参考論文を読むために高い金を叩いて取り寄せたものがロクでもなかったなんて経験は誰にでもあるのではないでしょうか?

 

オープンアクセスの登場

オープンアクセスの草分け的存在は、PLOS ONE という雑誌でした。

http://journals.plos.org/plosone/

2006年から刊行され、2006年では年間138本の論文を掲載していたのが、

2013年には31500本の論文となっています!

オンラインジャーナルで雑誌媒体を持たないので、このように莫大な数を掲載することが可能なんです。

PLOS ONE より前にオンラインジャーナルはたくさんありました。

PLOS ONE のビジネスモデルは、論文の投稿者が$1350を支払って、自分たちの論文を掲載してもらう方法になっています。

決してワイロではありません。リジェクトもあります。

リジェクトであればお金は必要ありません。

投稿者からお金を得る代わりに、閲覧者は誰であってもどこからでもその論文を見ることができるようになりました。

つまり、今までは読む側で支払っていたものを書き手が支払う仕組みになったのです。

これがオープンアクセスです。

当初は批判も多く、成功しないだろうと思われることも多かったみたいですが、

2010年にインパクトファクターで3以上の比較的好成績を収めると人気に火がつきました。

インパクトファクターはブログの被リンクやブックマークみたいなもんで、人気度の指標です。

論文ではなく雑誌が評価されます。

 

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オープンアクセスの乱立

これを見ていた他の出版社も人気にあやかり、オープンアクセス誌が雨後の筍のように出現しています。

最初は批判していたNatureもオープンアクセス誌を作りました。

 

Nature Communications

インパクトファクターは12ということで、さすがNatureブランドです。

掲載料はなんと66万1500円です。

高すぎます。

上司に言ったら怒られます(笑)

大学の研究室でも予算の多くを持って行かれます。

これだけの金額でも採択率はとっても低いようです。

海外の記事によればなんと7.7%!

公式では20%以下だという報告もあります。

いずれにせよ低い採択率ですね。

 

Scientific reports

Nature という名前が出ないためかこちらはインパクトファクター4.1です。

掲載料は、18万です。

まぁ安くはないですね。

Nature公式によれば

採択率は、59%とのことです。

かなり高い印象です。

最近は、Scientific reports による大学のニュースリリースが多いような気がしますが、私の気のせいでしょうか?

 

昨日のニュースです。

日本の科学技術論文の発表数 世界4位に後退

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170809/k10011094781000.html

中国などはオープンアクセスにこれくらい払える研究室や企業も多いんですかね〜。

こんなところからも日本の論文数と差がついているのかもしれません。

 

企業とオープンアクセス

では企業の研究者にとってオープンアクセスのメリットはなんでしょうか。

こちらは自社技術を広く認知させることができるということです。

研究者にアクセスされやすくなりますので。

ある意味、宣伝や広告がわりになります。

 

アカデミックとオープンアクセス

最近では、公的な研究費で行われた研究はオープンアクセス化されることが求められることも多くなっています。

情報公開の一つで、納税者らの知る権利を担保するためです。

さらに、オープンアクセスにより広く公開されることで捏造などの不正を予防になるという意見もあります。

 

将来の論文は?

ブログなどと同様に、論文の一部に広告が掲載されるようになるかもしれませんね。

もっとも利益相反に当たるのでできませんかね。

 

とりあえず論文を書き上げねば!

 

あまりにも高すぎるオープンアクセスや雑誌社への批判も出てきています。

スウェーデンのコンソーシアムがエルゼビアとの契約更新を拒否

ドイツ、フランス、オランダの大学や図書館を含むコンソーシアムが学術出版社との契約を打ち切る中、スウェーデンのBibsamコンソーシアムも、この対立構造の仲間入りを果たしました。スウェーデン国内の85の高等教育機関および研究機関が参加しているBibsamコンソーシアムも、出版大手エルゼビアとの2018年6月30日以降の契約を更新しないことを発表しました。

科学論文の海賊版「Sci-Hub」を違法と訴える巨大出版社に対して根本的法改正の必要性を訴える科学者という構図

違法に学術論文を無料公開していることが科学誌出版社の著作権を侵害しているとして、Sci-Hubは損害賠償請求されたり、ドメインをはく奪されたりと、法的紛争に巻き込まれています。しかし、Sci-Hub創設者であるアレクサンドラ・エルバキアン氏の「重要な研究を国民の目から遠ざけるツールとして著作権法を用いるのは間違いであり、科学論文におけるペイウォール(有料の壁)は取り除くべきだ」という理念に賛同する研究者は少なくなく、依然としてドメインを変えつつ、記事作成時点でもSci-Hubは完全に閉鎖されることなく運用を続けています。

 

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“オープンアクセスの値段と採択率 〜社会人にもオープンアクセスばかりすすめてくる〜” への1件のコメント

  1. Golden より:

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