論文博士の制度改革 〜奈良県立医科大学の場合〜

論文博士の数はどれくらい? 論文博士の調べ方。”でも書きましたが、論文博士に占める医師の割合はとっても多いんです。

https://researcher-gakui.com/search-ronpaku-141

 

個人的には、論文博士の廃止問題で一番影響を受けるのは医者ではないかなって思います。

 

 

そんな中、医学の単科大学である奈良県立大学は論文博士制度の改定を実施しています。

論文博士を廃止するとまではなっていませんが、ハードルはかなり高くなっています。

何より基準を明示することが大きな変化だと思います。

 

内容を見てみます。

改正の趣旨

中央教育審議会の「新時代の大学院教育-国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて-」(平成 17 年 9 月 5 日)が答申され、その基本的な考え方で、「今後の大学院は、教育機関としての本質を踏まえ、1大学院 教育の実質化、2国際的な通用性、信頼性の向上を通じ、世界規模での競争力の強化を図ることを重要な視点 として、教育研究機能の強化を推進していくことが肝要である。」とされています。

本学においても、医学研究科博士課程の入学や学位授与の状況等を勘案し、医療系大学院としての使命を果 たすとともに、さらなる飛躍を期すため、博士授与制度のあり方全般の検討を行い、取り組みをすすめること としました。

中央教育審議会のロンパク廃止論を受けての対応であることがわかります。

さて、新しい基準ですが・・・

(新要件)

・申請論文(筆頭著者に限る)のインパクトファクター(論文掲載年の公表済直近 5 年平均)が 15 点以上。

・申請論文以外に、筆頭著者としての掲載論文(インパクトファクターが 1 点以上)が 2 編以上。

・本学の大学院入学試験に準じて行われる学力試験に合格。

医学系の論文は比較的、インパクトファクターが高く出ます。それでも15点以上というのはかなり高いハードルです。

例えば内科系の花形である循環器では、専門誌では

1 EUR HEART J: 20.2

2 JACC (Journal of the American College of Cardiology):19.9

3 Circulation: 19.3

などの超一流論文じゃないと認められないレベルです。

基礎研究の論文では、分野によっては、ナンバーワン雑誌でも届かないのではないでしょうか?

その場合Nature やCellなどの総合誌じゃないと厳しいかもしれません。

それに加えて、ファーストオーサー2本ですから、相当なもんです。

 

他大学がすぐに同様な方針を打ち出すかは疑問ですが、長い期間では変わってくるのではないでしょうか。

何より、総合大学ではなく、単科大学でこの方針を決めたのが注目すべきことかと思います。

 

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