卓越研究員ってどんな制度?問題点は?

文部科学省により、平成28年度から科学技術人材育成費補助事業「卓越研究員事業」始まっています。

簡単にいうと若手研究者と、企業、大学や研究機関のお見合いサイトみたいなもので、マッチングサービスです。

文科省が、仲人さんになってお互い紹介するような感じですね。

当事者間交渉もオッケーみたいです。

国が優秀な研究者を卓越研究員として審査します。

また、受け入れ機関も審査を受けてこの制度の受け入れ先として認可されます。

 

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卓越研究員事業の目的

そもそもこの事業創設の目的はなんでしょうか?

簡単にいうと、オーバードクターが増えたり、任期付きのポストばかりで若い研究者が苦しんでいるのをなんとかしましょうというものです。

文部科学省では、目的について以下のように述べています。

近年、短い任期での雇用など不安定な雇用によって、新たな研究領域に挑戦し、独創的な成果を出すことができるような環境に若手研究者が置かれておらず、我が国の科学技術・学術研究の持続的な発展が不安視されています。

また、産学官のセクター間を越えた研究者の流動性が低く、人を介した 知の移転がなされず、世界規模での急速な産業構造の変化への対応が困難となっています。
 一方、人材の育成・活躍促進や多様性の確保に向けては、大学や公的研究機関、企業等が、組織として人材育成やキャリアの形成に強い責任感を持って取り組むことが重要です。

また、若手研究者自身も、自らのキャリアパスは自ら切り拓くものとの意識を持ち、自らの持つ能力を高め、社会の様々な場でその能力を発揮していくことが求められています。

このような状況を背景とし、新たな研究領域に挑戦するような若手研究者が、安定かつ自立して研究を推進できるような環境を実現するとともに、全国の産学官の研究機関をフィールドとして活躍し得る若手研究者の新たなキャリアパスを提示するため、「卓越研究員事業」を実施します。

 

企業にも博士を受け入れてもらおう!

この制度で特徴的なのは、雇用先を大学に限定せず、研究機関や企業に広げていることです。

オーバードクターの問題を大学のポストだけで対処するのは不可能です。

現状、企業が博士卒の雇用を積極的に行っていないので、文部科学省としてはこのような制度を用いて進めていこうとしているのだと思います。

 

博士卒の方にキャリアパスを考えてもらおう!

別に、若手研究者が自分のキャリアパスを切り開こうという意識がないというわけではないと思いますが(笑)

この制度は、”卓越”研究員の制度です。

どちらかというと優秀な方を対象としている趣旨になっていますので、ドロップアウトされる方のセーフティーネットではないです。

ということは、卓越研究員に選ばれることはメリットがあるんですね。

 

卓越研究員事業の概要

卓越研究員事業では、産学官の研究機関で活躍し得る意欲や柔軟性を有し、新たな研究領域の開拓等を実現できるような若手研究者が、産学官の研究機関において安定かつ自立した研究環境を得た場合に、当該研究機関に対し支援を行います。

受け入れ側にメリットはある?

受け入れる側は、優秀な研究員を受け入れられるというのがメリットです。

人件費は、受け入れ機関が担います。

その代わり、研究費が2年で最大600万円、研究整備費として5年間で300万円程度、国から補助されます。

 

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研究者のメリットは?

こちらも科研費とは異なる研究費が獲得できるというメリットがあります。

アカデミックに進む場合は、研究成果も大事ですが、今は研究費を獲得してきた実績が評価されます。

(どこもお金がないのです・・・、自分の研究費はとってこいという考えです・・・)

もちろん、卓越研究員であったという実績も今後評価されるかもしれません。

 

安定な雇用ってことは任期なしのポストが対象か?

企業側の募集は、任期なしのポストが多いです。

一方で、アカデミックでは、任期付きも多いです。

受入れポストの主な要件

・学長等のリーダーシップに基づき、受入れ希望機関の将来構想に基づくポストであって、 若手研究者の自立的な研究環境が用意されていること ・年俸制(無期)、又は当初の雇用期間が5年程度(民間においては3年程度)かつ当該期間後のテニュア化等の条件を明示していること 等

ってことで、任期付きでオッケーなんですね。

テニュアの条件が明示されることが条件なので、任期後も長期雇用が期待できます。

 

どんな企業が参加してるの?

住友電気、NEC、第一三共、キリン、JFEスチールなど大手も参加しています。

ベンチャー的なところも参加しています。

ベンチャーなどは企業の強みがアピールできれば面白い制度だとは思います。

もちろん雇用条件はそれなりの条件でなければ見向きもされないと思いますが。

 

人数はどのくらい?

平成29年度新規の実績は約100名です。

オーバードクターの数を考えるととても少ないですね。

 

問題点はどんなことが考えられるか?

結局この制度は、国が研究者を審査し、卓越研究員として評価します。

そのような研究者はこの制度がなくてもなんとかなるような方々だと思います。

またこのような研究者を抱える(生み出せる)研究室や大学も、資金が比較的多い可能性があります。

極論を言えば、受け入れ機関が自分の研究室の講師や助教というポストの可能性だってあるわけで。

その場合、もともとそのポストに着く予定の人が採用されて、国から補助金まで貰える可能性もあるのでは?

また、企業側も優秀な人材を得られるチャンスはあるし、公募をかけたからといって採用しなくてはいけない義務もないのだろう。

対象となる人材はいませんでしたでおしまい。

そもそも企業が欲しいと考える専攻に特化した募集をかけてしまえば良い。

 

ポスドクの問題というのは、企業が欲しがらない研究対象の人材をどう活用すべきかという点で。

利益に結びつかない研究をしている人の中にも優秀な人はたくさんいるはずで、彼らから何か新しいビジネスを生み出す仕組みを作り出す制度が重要なのでは?

それでもこの制度が存在する以上、若手研究者は認定を得られるように応募はしましょう。

 

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