論文博士の審査は甘いか?〜そんなことはありません。〜

中には論文博士(乙博士のことです)の審査が甘いと考えていらっしゃる方がいるかもしれません。喜んでください 😀 

かなり厳しいですよ(笑) 😯 

私が論文博士を撮るにあたって苦労した点を中心に書いていきますね。社会人の方が博士やMOT、MBAを目指す上で参考になれば幸いです。

審査をする先生方にとってテーマに馴染みがない。

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予備審査はもちろんのこと本審査の先生は、学内の先生(ほぼ教授)で構成されることが多いです。学内では、学科や学部は違ってもなんとなく研究テーマはお互い聞いたことがあることが多いんですね。過去にその先生の研究室の学位審査をしたとか、学内のイベントで発表を聞いたりなどしますので。

ところが企業からやってきた馬の骨(私)が発表するテーマは先生方にとって完全に未知な領域でした。

私自身が母校で学位を取ることを優先したため、分野も大きく異なるものでした。(ホント審査は大変だったと思います。)

このような未知の研究テーマはどこまでが既知でどこからが新規かの背景を共有するのも時間がかかりました。

企業で研究をしていると、どうしても専門領域外の方々に説明する機会がないんですよね。学会も近い領域でしか発表しないと思います。大学だと同じ学科であっても多様なテーマを扱っており、隣の研究室でもまったく違うことをしていますので、私自身の視野が狭くなっていることを痛感しました。

確かに、社内でもまったく違うテーマを扱っていますし、交流発表会などもあります。それでも議論の中心は、採算性や売り上げ、販売見込み、特許、生産性などビジネスの内容に偏ることが多いです。研究テーマの基礎研究の状況などは議論されないことが多いです。またアカデミックに比べて議論の能力が育っていないこともあると思います。

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複数の論文内容をまとめるのが大変

論文博士ということで主論文を複数本容易する必要があります。この複数の論文のテーマが完全に一貫していれば良いのですが、テーマが異なったり、前任者の研究から引き継いだテーマだったり色々な論文があったとします。このような場合、ひとつひとつの研究テーマは筋道があるのですが、博士論文として一つの内容にまとめるのが大変骨が折れました。博士論文の場合、主語が「我々」ではなく「私」である必要がありますが、これは「○○さんが見つけたやつだったな。」などと考えると構成が行き詰ってしまいました。

この理由は、企業の研究とアカデミックの研究による違いによって生じると感じました。

アカデミックでは、研究を始める際に、ある程度ゴールや仮説を立ててストーリーがしっかりした状態でスタートすると思います。開始時やあるいは途中経過でも、論文の構成や足りないデータをイメージしながら研究を進めます。

一方企業では、論文を書くことをメインにしていないので後からストーリーを作らなければならないことも多いと思っています。上手くいっているときは、結論だけあればビジネスは進むからです。

学位審査の透明性が高まっている。

昔は、論文博士はお金で買えたという噂も少なからずあったようです。現在はそんなことはまずありません。特に著名な大学であれば絶対にないです。

https://researcher-gakui.com/search-ronpaku-141

この記事でも紹介しましたが、現在学位論文や審査の概要はネットの学術リポジトリで公開されています。論文の内容があまりにも低レベルであれば、大学の名誉を落とすことにつながります。審査の先生方も名前が載ることになりますので、審査も真剣に実施されます。さらにSTAP細胞の件もあったように、論文のデータに関して盗用や捏造は簡単に調べられる時代になっており、各大学は専用のソフトウェアでチェックを実施するようになってきています。このように審査の透明性が高まっており、不正に学位を取得できることはなくなりつつあります。

過去には論文博士、あるいは課程博士でも審査の先生に審査料以外に少なくないお金を納めることもあったと聞いたことがあります。現在では(過去もそうだと思いますが)、利益相反としてもちろんOUTです。企業研究者は企業の看板も背負っています。論文不正、倫理に反する行為は絶対にしないようにしましょう。

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