企業は、論文博士の取得を勧めない?
最近、友人などからも博士号取得の相談を受けることが多くなってきました。
そのなかで多く伺うのが、所属する企業や上司からあまりいい顔をされないということです。
私自身も、嫌な顔をされたり反対されることが想定されていたので最終的には、一部会社に許可を得ずに押し進めたところもあります。
(※ブログには何度も書いていますが、仕事の成果を対外的に文書であれ発表であれ公表するのには許可が必要です。)
なぜ反対する人が多いの?
理由はいくつかあると思いますが、一番は面倒なことに巻き込まれたくないというのが一番かもしれません(笑)
あとは、上司が博士号を取ってなく、今まで問題がなかったので必要がないと思っていることもあるかもしれません。
80〜90年代ですが、各企業で論文博士の取得を推し進めていた時代もあったようです。
この時は今より雇用も多く、会社に余裕もあった時代です。
研究者の数も多かったので、
「ちょっと大学行って研究して、博士を取ってこい。」
という環境が整っていたんでしょうね。
私の会社もこんな感じで博士を取った50代以上のかたがチラホラいますねー。
それでも、当時論文博士を取った方がみんな会社に残ったわけではないようです。
博士を取った人の多くは辞めて行った
会社の仕事を休んで、会社のお金で外部出向し、博士号を取った多くの方(しかも優秀な人)は結局アカデミックに向かったり、転職をしてしまったようです。
さらに企業はバブル崩壊やリーマンショック、グローバル化等により選択と集中が進み、研究者に取っても厳しい時代環境を迎えました。
少数精鋭の採用へと舵を切り、人員の余裕もなく外部出向も難しくなります。
そんな環境ですので、会社にとっては
「博士号を取っても辞められたら困る。」
「それなら博士号を取らせる意味なんてないよ。」
といった考えになっているのではないでしょうか?
これは、現状のMBAの取得にも同じことが言えますね。
会社のお金でMBAを取らせたのに、取った途端にすぐ転職しちゃったとよく聞きます。
会社派遣のMBA取得者の割合が減っている理由の一つだと思います。
それでも博士を取るために
まずは特許を出しましょう。
外部に公開できる環境を整えることが大切です。公表するすべてのことが、既知情報であれば外部発表の許可がおりやすくなると思います。
そして論文を書きましょう。
学会発表は、コマーシャルとして有効な面があり、発表の場が得られる研究者も多いと思います。その内容を充実させて論文にしましょう。
論文もユーザーに対して認知度を高められる強力なツールだと思います。
そのように準備を積み重ねてから、博士号取得の思いを上司や会社に伝えましょう。
信頼関係が築けていれば、納得していただけるかもしれませんよ。(辞めないなと思って?)
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